結論 速いクルマはDCT、楽しむクルマはMTが最近のトレンド
まずはデュアルクラッチトランスミッションDCTについて説明します。
かんたんに言うと1速3速5速ギヤ群と2速4速6速ギヤ群が並列にあり、2つを切り替えるクラッチが高速でギヤチェンジするものです。マニュアルミッションをアクチュエーターで機械的に動作させると考えてもらえばいいと思います。
日産自動車のGTR取説の中での説明文は以下です。
デュアルクラッチトランスミッション
クラッチの直結制御によりアクセルペダルの操作のみで駆動力をコントロールすることができます。また、力強い加速と強力なエンジンブレーキを得ることができ、ダイレクトな走りを実現しています。
デュアルクラッチを採用することで、パドルシフト操作ですばやい変速を可能としているため、変速時に駆動力が切れることがなく、ターボチャージャーのブースト圧を保ったまま力強い走行をすることができます。
◆DCTの乗り味は
1.AモードではGT-Rが最適なギヤを判断し変速をしてくれるのでオートマ感覚で便利ではあるが操っている感があまりありません
2.AモードでRモードにしていると加速時は高回転までギヤを引っ張ってチェンジするシフトアップで、減速時は速度低下に伴いブリッフィングしながらギヤダウンしてくれます。
フルブレーキでの高速ブリッフィングギヤダウンはレーシングカーそのもので感動します。
3.Mモードではハンドルの奥にあるパドルシフトで自らマニュアルでギヤチェンジをするもので、MTになれた方が操作すると慣れるまですごい疲れます。
Hパターンのミッションでシフトレバーの位置でシフトポジションを見てた人には特に違和感があります。シーケンシャルミッションが大変なのと同じですね。
DCTのメリットは
ハンドルから手を放さずにシフトチェンジすることができることです。
これはスポーツ走行のタイムアタックでは圧倒的に有利でドライバーの負担軽減になります。速いクルマであればあるほど有利に働きます。
モータースポーツではこの2ペダルセミオートマが主流で、400mの加速を競うドラッグレースでも9秒より速く走る車両はエアーシフターを付けボタン操作でシフトアップしているクルマが大多数になります。
GTRのDCTの弱点
これはミッションオイル温度が140℃を超えるとフェイルセーフが入りアクセルを閉じてしまうことです。ミッションを壊さないためには当然ではありますが。
なので普通に山道をドライブする際に不調になることは皆無と言っていいです。
サーキット走行では周回を重ねることができず、1周アタックしてはクーリングとなるケースも夏場にはいつもです。
これの対策にDCTクーラーがトラスト、HKSからリリースされてます。
DCTクーラーはリヤに搭載されているミッションとフロントのクーラーコアをつなぐ配管が長くトラブルの確率がどうしても上がってしまします。このため不調の未然防止のための定期点検が必要になります。
◆MTの乗り味は
1.自分でクラッチとシフトの操作をすることで操っている感を感じられることです。
自分の操作でクルマの動きをつくることができます。DCTでもやれなくはないですが高いドライビングスキルが必要です。
2.シフトチェンジの操作では回転を合わせることが重要です。シフトアップではいかにアクセルを抜かずにギヤを変えるか。シフトダウンではヒール&トーと呼ぶブレーキを踏みながらアクセルをあおるブリッフィング操作で正確にチェンジするシフト回転数に合わせていくかが超重要です。
3.ギヤ操作でリヤタイヤをパワースライドに持ち込んだり、シフト操作でリヤタイヤを滑らせたりすることができるためドリフト走行もしやすいと思います。FR車では。
MTのメリットは
MTマニュアルトランスミッションは自分で操る魅力がいっぱいです。
上手いもヘタも、速いも遅いも自分の技量次第ということです。
MTの弱点は
せっかくのマニュアルミッションでもノーマルのアクセルペダルとブレーキペダルの位置関係からヒール&トーによるブリッフィングがやりにくい車種があります。
例えばトヨタJZX100チェイサーツアラーVではペダルの位置が悪く、調整のためこれを付けて改善してました。これでヒール&トーも思いのままです。
まとめ
レーシングカーの様に競技で速く走らせたいクルマはDCT
適度なパワーで自分で操ってクルマを楽しむならMT
こんな選択だと思います。
安全で安心して楽しいクルマづくりを提案するKJO-premiumでした
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